【お歳暮】船舶　国際信号旗　8枚揃い

神戸・元町に、海文堂書店という本屋さんがありました。100年近く続いた老舗でしたが、出版不況のあおりを受けて、2013年9月に惜しまれつつ廃業しました。

海文堂書店は、船舶や港湾関係の書籍では、その質と量で間違いなく日本一でした。出品者は長らく神戸に住み、2階の海事書コーナーを見て回るのが好きでした。

とはいえ、船舶にも港湾にも関心は薄く、もっぱら書籍ではなく、海事関係のもろもろの雑貨に魅せられていました。豪華客席の食器や案内表示、筒がきで彩られた大漁旗、碇や浮きやスクリュー、柳原良平の絵葉書やステッカーや缶バッジ…‥。鉄道マニアが足繁く通う鉄道用品店は珍しくありませんが、船舶関係の雑貨を集めた店は、ここ海文堂書店しかありませんでした。

本出品は海文堂書店がいよいよお店を閉じるという数日前、この2階海事書コーナーで求めた国際信号旗（8枚揃い）です。国際信号旗は、海上において船舶間での通信に利用される世界共通の旗のことです。船舶同士が海上を操舵中、この旗の掲揚を繰り返すことで、文章も含めた通信が可能だったのです。

1つの旗が一つのアルファベットや数字、またはひらがなに対応しており、どのような船がどのような場面・状況で掲げるかによって、一枚の信号旗で複数の意味が伝えられる仕組みです。たとえば1枚目の写真の旗は、ノヴェンバー（N）と呼ばれて、TPOと関係なく「NO（否定）」を表し、5枚目の信号旗はリマ（L）と呼ばれて「貴船は直ちに停泊されたし」を表します。また、今回、出品していませんが、U（ユニフォーム）という白と赤の石松模様の信号旗は、日本では津波を知らせるフラッグとして使用されていますが、多くの場合、たんに「貴船の進路に危険あり」を表すといいます。

通信技術が発展した現在でも、国際信号旗は船舶の取り出しやすい甲板上に専用のラックを設けて設置してあるそうです。18世紀から19世紀のイギリスの画家、ウィリアム・ターナーの絵などには、船のマストにいくつもの国際信号旗がはためいている図があります。

縦　約65センチ
横　約85センチ

いわゆる業務用のプロ仕様の品で、普通、デパートやネットで買えるものではありません。
価値のお分かりになる方にお譲りします。
　　
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