【スケジュール帳 2025の人気アイテム】 ソニー的な価値観からは少し離れた良いラジオです　ソニー　ICF-P1

79年に定価¥16100で発売された3バンドモデルです。
78年に第二次オイルショックがあり、79年は不況で企業も採用を手控え、就職難の年でした。
特殊語学での求職活動をして居た小生は幸いにも然程苦労せずに就職出来ましたが、一般的には最も就職が難しかった年だった様です。
オイルショック後の物価高騰と引き締めブームがあり、このモデルもそう言った背景を強く感じさせてくれます。スカイセンサー時代の過剰な程のアクセサリーは陰を潜め、デザイン、機能共に極めてシンプルです。
トーンコントロールは2段切替、チューニングメーターもダイヤルライトもありません。
逆に目を惹くのが、サイドにあるパワーセーブスイッチで、出力が80mWにまで制限されます。尤も元々の出力も０.24Wとその数年前のパワー競争からは信じられない位の小ささでした。
では音の方も貧弱かと言えばさにあらず、ナショナルのクーガ7を思わせる太めで輪郭のハッキリした音で、低音も結構出ます。
電源は単一電池2本の3V、これで立派な音を出すにはそれなりの苦労があった筈です。
感度もAMはφ10X 160mmという立派な物が付いています。
低電圧で利得をあげられない分、アンテナと回路の工夫で感度を上げた感じです。
パワーセーブも単にアッテネーターを噛ませてアウトプットを下げても消費電力は変わらないので、アンプの利得そのものを下げる工夫が必要。更に小さな出力でも大きな音が出せる様にスピーカーはオーディオ並みの強力なフェライトマグネットを持って居ます。
構造も基板とスピーカーをプラスチックの丈夫なフレームに付けて前後のボディからは離す事で共振を防いで居ます。
全体的にはオーソドックスに効率を上げて良い音と感度を両立させている感じで、良いラジオです。
デザインも真っ黒な石板の様な感じですが、適宜アクセントもあって宜しい。グットデザインを取り、ソニーのHPにも掲載されて居ます。
と言うわけで、これは従来のソニー路線からは外れますが佳作だと思います。
この個体は汚れが酷く、サイドのノブ欠品でした。
整備、クリーニング後は意外な程綺麗です。凹凸が少ない為でしょう。ノブはソニーのTHE11の物を流用しました。
電池はお付けします。
お届け翌日迄、評価前の買い手責任外の不具合には誠意を持って対応します。

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